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成年後見人と身元保証人の違いとは?高齢者の入院・施設入居でトラブルを防ぐために知っておきたいこと

「成年後見人がいれば、身元保証人はいらない」と思っていませんか?
実はこの考え方、間違っている可能性があります。
高齢者が入院や介護施設へ入所する際、「身元保証人」は欠かせない存在です。
一方、「成年後見人」は主に財産管理を担う法的な立場であり、両者は役割も責任も異なります。
この記事では、「成年後見人と身元保証人の違い」について分かりやすく解説します。
安心して老後を迎えるために、どちらも正しく理解し、早めに備えておきましょう。
成年後見人とは?
判断能力が低下した人を法的に支援する存在
成年後見人とは、認知症などで判断能力が不十分になった方のために、家庭裁判所が選任する法的な代理人のことです。
● 主な役割は「財産管理」と「身上監護」です。
● 弁護士や司法書士などの専門家、または親族が就任します。
● 被後見人の利益を守ることが目的です。
● 医療行為の同意など、一部の権限は持ちません。
成年後見制度は、本人が自分で判断・契約ができなくなったときに備えるための制度です。
身元保証人とは?
高齢者の入院・施設入居などを支える契約上の支援者
身元保証人は、本人の意思で選任され、契約に基づいて生活面の支援を行う人です。
● 入院や施設入居時に必要になることが多いです。
● 契約時に保証人として署名し、緊急時の連絡先にもなります。
● 医療同意権限はありませんが、書面により代弁が可能です。
● 原則として、本人に判断能力があるうちに選任する必要があります。
高齢者が安心して生活するためには、身元保証人の存在が不可欠です。
成年後見人が身元保証人になれない理由
利益相反を防ぐための制度上の制限
成年後見人は、本人の財産を守る法的な立場にあります。そのため、以下のような理由から身元保証人を兼ねることはできません。
例:成年後見人が施設の保証人となり、施設から費用の請求を受けた場合、自らが管理する本人の財産から支払うことになる(利益相反)
法的にも「保証契約を結ぶことは後見人の職務に含まれない」とされています。
ただし、親族が成年後見人である場合、「親族として」別途身元保証人になることは可能です。
高齢者が備えるべき「4つのもしも」
① 入院時の身元保証
② 救急搬送時の緊急連絡・駆けつけ対応
③ 手術・医療行為の同意
④ 死亡後の事務手続き(遺体引き取り、遺品整理など)
成年後見人は、これらの対応すべてをカバーすることはできません。
特に「身元保証」や「死後事務」は、別途契約が必要になるため、元気なうちの備えが大切です。
成年後見人が対応できないケースとは?
ケース1:認知症の方の施設入所時
成年後見人がついていても、施設から「身元保証人」が求められることがあります。この場合、後見人は保証契約を結べないため、以下の選択が必要です。
● 保証人となる親族の確保
● 民間の保証会社の利用
ケース2:入居者が亡くなった後の手続き
成年後見人の職務は「本人の生存中」に限られます。
死亡後の対応(遺体の引き取りや葬儀手配、施設の退去手続きなど)は対象外です。
このような場面では、生前に「死後事務委任契約」を結んでおくことで、信頼できる第三者に手続きを託すことができます。
まとめ|成年後見人と身元保証人は「どちらも必要」です
成年後見人 | 身元保証人 | |
---|---|---|
主な役割 | 財産管理・法的保護 | 生活支援・保証契約 |
選任方法 | 家庭裁判所による選任 | 本人が契約によって依頼 |
医療同意 | 基本的に不可 | 書面による代弁が可能 |
死亡後対応 | 不可 | 対応可能(事前契約が必要) |
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✅ 入院・入所時の身元保証
✅ 緊急時の駆けつけ対応
✅ 医療行為の意思代弁
✅ 死後の事務委任手続き
「いつかのために」ではなく、「いまのうちに」。
お元気な今こそ、信頼できる備えを始めましょう。